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てるみくらぶはなせ倒産したのか・いざという時の防衛策は?

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てるみくらぶはなせ倒産したか

先週から世間を賑わしているてるみくらぶの問題ですが、被害にあわれた方は本当にお気の毒な限りです。

お金の問題ももちろんですが、せっかく家族や友人と休みを調整して行き先を、ホテルを選んで楽しみにしていた旅行が中止になるというのは本当に悔しいだろうなと同情の念を禁じえません。

家族で海外旅行に行けば50万円くらい簡単に使いますよね。

50万円と言えば、テレビに冷蔵庫、洗濯機を買ってもお釣りがくるくらいじゃないですか?

家電なんて一度買えば10年は持つわけですよ。それなのにわずか数日のためにそれだけのお金を出すのはまさに「思い出はプライスレス」だからですよね。

80歳くらいになって死ぬ前に「40年前に50型のテレビを買ったなー」と思い出す人は少数でしょうが、「40年前に家族と行ったハワイ旅行は楽しかったなー」なんて事は思い出すんじゃないですか?

そんなプライスレスな思い出を潰してしまったというのはお金の被害以上に罪が重いなと思うわけです。

旅行代金については恐らくほぼ全額戻ってこないという事で間違いはないでしょうが、果たしてこれで旅行業界は良いんでしょうかね。

なにかますます日本人の海外旅行離れが進みそうな気もしますが、旅行業界の新たな対策を望みたいところです。

てるみくらぶの倒産騒動についてはすでにご存じの方も多いと思うので詳細は書きません。また私のブログをご覧になっている方は、恐らくマイルを中心に使って旅行を計画されていると思いますので、旅行会社を使われている方は少ないと思います。

私自身も店舗の旅行会社をいうものを使って旅行をしたという経験は恐らく15年くらいないのではないかなと思います。

旅行はマイル利用もホテルもほぼネット予約ですから、今では旅行会社の入る余地はありません。

一般の方ならマイルを使わないまでも、航空券は航空会社のサイトから直接ネットでの予約が主流ですから、昔よりも旅行会社に依存する率は格段に減ってきていますね。

そんな中で起こった今回の騒動ですが、年商200億の中堅の新興旅行会社で、なぜこのような問題が起こったのか私なりに少し検証したいと思います。

 

格安での航空券の仕入れができなくなってきた

まず大きな問題として旅行会社が航空券を格安で仕入れることが難しくなったというのが最大の問題でしょう。

ではなぜ航空券を以前のように格安で仕入れることが難しくなってきたのか。

一つはLCCの台頭と航空会社の直販売の充実にあるでしょう。

LCCは極限までコストを下げますから、原則旅行会社を通しません。

消費者に直接販売し中間コストを大幅に絞る事によって成り立っています。

LCCが21世紀になって大幅にシェアを伸ばしたのは世界中にインターネットが普及したからです。

以前は航空券は旅行会社で買う物でしたから、中間マージンが発生し安く売るにも限界がありましたがインターネットの普及で世界が変わっていきました。

またいわゆるレガシーキャリアも以前は機材を大型化して、客単価が安くてもバンバン客を運ぶというやり方をしていましたが、今では機材を小型化して空席率を下げるように調整していますし、旅行会社に安く卸すならと自社サイトでも格安航空券と変わらない金額で売り始めました。

また航空会社やホテルのイールドマネジメントが高度化し、利益率が最大になるよう柔軟な運賃設定が可能になったことも一因にあるでしょう。

以前は格安航空券は旅行会社で、航空会社での販売は少し高めのPEX運賃でとすみ分けができていましたが、近年はそのあたりの境界線がかなりなくなってきていました。

また日本へ旅行に来るインバウンドの旅行客がここ数年劇的に増えたため航空会社の空席事態が少なくなり、旅行会社に格安で卸さなくても、オフシーズンでも航空会社自身で空席を埋めることが出来るという状況になっていたようですね。

つい20年前ごろまでは旅行と言えば日本人が海外へ行くばかりで海外から旅行客が日本に来るなんてほんのわずかでしたから、航空会社もホテルもお客は日本人のみでしたが時代は変わったんですね。

そうなるとこれまで安くともオフシーズンの座席やホテルの空室を埋めてくれていた旅行会社とのウィンウィンの関係が崩れ、航空会社やホテルが販売まで行って完結してしまうがため旅行会社がスルーされてしまうように状況が激変していきました。

そうなるとこれまで10万円で販売して利益が2万円出ていたものが利益が1万円になり、5000円になり、ついには自転車操業のため赤字でも売ってしまえとなっていったようですね。

格安航空券の購入層が少子化で激減している

次の問題として少子化と不景気の問題もありますね。

そもそも少子化で格安航空券の主要ターゲットであった若者の旅行客が激減したこと。

さらに若者は上述のようにネットやスマホで飛行機やホテルの予約を完結させてしまい、旅行へ行くのに旅行会社を使うという発想自体ないという現状でさらに顧客が減少しました。

また若者にそもそも海外旅行に行く金銭的余裕がなくなり、海外へ行く若者自体も大幅に減ってしまったという事もあるようです。

結果比較的旅行需要があり、ネット依存度の低い中高年層をターゲットにするため新聞広告を多く出すことによって出稿費がかさみ自転車操業がさらに悪化してしまったということのようです。

我々に防衛策はあるのか

他にもいろいろ理由はあるでしょうが、検証していくと問題はてるみくらぶだけの独自の問題ではないんだろうなと思えてきますね。

今後も似たような事例は発生するでしょうし、大手なら高くても絶対安心とも限りません。

実際20年後にターミナル駅などにある旅行会社の店舗自体どれだけ生き残っているのかというほどの斜陽産業でしょう。

我々が防衛出来ることとすれば、大きな買い物は可能な限り現金決済はせずクレジットカード決済を利用するくらいでしょうか。

実際てるみくらぶもクレジットカードの利用が直前にはできなかったようですし、そんな会社は危ないサインという事ですね。

今回のような件でカード会社がどこまで補償してくれるかはわかりませんが、少なくとも引き落としが完了する前なら代金は戻ってくる可能性がありますし、カード会社によっては保険が使えるかもしれません。

こういう時には意外にカード会社が間に入っていれば相手と直接交渉する事が困難な場合でも色々と相談に乗ってくれる可能性はあるでしょう。

色々と書きましたが、一人の旅行好きの私からすれば、被害にあわれた方がこれに懲りずにまた旅行を楽しんでくれることを願いたいですね。

では今日はこのあたりで。

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