「チケットの高額転売に反対します」広告を見て感じた違和感・航空券と同じシステムで売れば良いんでは？
先週になりますが、読売新聞の広告に「私たちは音楽業界の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」という意見が掲載されました。
賛同アーティストはほぼすべての有名アーティストの名前を確認することが出来るほどですので、業界一丸となっていますアピールの気合を入れた広告です。
うん、確かに暴力団の資金源になることもあるだろうし、組織的な転売になれば入手困難なチケットがさらに入手困難になる事もあるので、主催者側の「反対します」という意見は納得できます。
コンサートはなぜ最前列も最後列も同じ値段なの？
ただですね、私が違和感を覚えるのはその対策って言うのがこの広告なんですか？
っていう事です。
主催者が自ら対策に乗り出すのではなく、世論を盛り上げてファンになんとかしてほしいということですよね？
そもそも、転売する第三者が利益を上げている最大の要因は主催者が正当な価格で販売していないのが問題なんです。要するに自らスキを作ってるんです。
私も昔はよくライブに行きましたけど、ほとんどのライブは全席指定とかでなぜか一番前も一番後ろの席も同じ値段なんですよ。
転売される一番の原因ってこれだと思うんですよね。
結局コンサートに行く人って全員が一番前で見たいんです。私は絶対に一番後ろが良いって言う人はいないんです。
なのに一番前の席も後ろの席も同じ８０００円とかで売るから、そこに需給関係のギャップが生まれて転売する人に利益が生まれてしまうんですよね。
日本は自由経済なので需要と供給のバランスで値段が決まります。
なので究極的には嵐のコンサートなんかだと１列目は５０万、２列目は４０万とかで売れば良いと思うんです。そうすれば転売する人なんか一気にいなくなるはずなのに、なぜそうしないんでしょう？
野球なんかでもネット裏は１万円から数万円するチームまでありますけど、外野席はだいたい１５００円～２０００円前後です。価格差は５倍から１０倍以上ありますが、それが当たり前だと思うんです。
ただそうなると嵐のコンサートはお金持ちしか行けないんでは？と思う人もいると思いますが、そこは最後列は３０００円とかで売ってバランスを取れば良いんじゃないですかね？
「５０万円出してでも最前列で見たい」と言う人に答えるのもファンサービスであり、「お金ないから８０００円は出せないけど、席はどこでも良いから３０００円なら一度嵐見てみたいな」という層にも答えるのもファンサービスではないかと。
「一律８０００円で席はどこだかわかりません」という摩訶不思議なシステムがファンの期待に応えていないから、ヤフオクやチケット○○なんかの２次流通市場が活性化してしまう根本原因そのものだと思うんです。
市場価格を定価に導入すると嵐のライブなんかだと大きな利益が主催者に入りますから、その利益はまだまだ会場を満員に出来ない若いアーティストのコンサートを２０００円とかにして利益を還元してあげれば未来の音楽業界の活性化にもなると思うんですがどうでしょう？
悩み相談に「私お手製のカバンを１０００円で売ってるんですが、作ってもすぐに売り切れてしまって・・・しかも買った人が１万円で欲しい人に売ってしまうんです。どうすればよいでしょうか？」って悩みがあればみんなこう答えるんじゃないですか？
「あなたが１万円で売れば良いんでは？」と。
ファーストクラスとエコノミークラスは価格差１０倍以上です
このブログは飛行機関係のブログですから、今の日本のコンサートの現状を航空券に例えるとファーストクラスとエコノミークラスを同じ値段で先着販売もしくは抽選で売っているようなもんなんです。
そりゃ混乱するしトラブルにもなるでしょうってことですよね。
だって誰だって同じ値段ならファーストクラスに座りたいんですから。
ヨーロッパまでファーストクラスなら２５０万円以上するんです。でもエコノミークラスなら１０万円程度なんです。
ライブのチケットも実際の需給関係ではこれくらいの差があるんだと思うんですよね。
ヤフオクで嵐のコンサートのアリーナ前方席だと数十万とかで売買されていますが、それで取引が成立しているんですからそれが実際の価値なんです。
ライブをお金持ちだけが最前列で見られるのは不公平だって意見ももちろんあるでしょうが、お金持ちがファーストクラスに座るのが不公平ですかね？
私はある意味それが最も平等なんでは？と思うんですがおかしいんでしょうか。
航空券には１０万円しか払えないけど、ぜひ全席抽選にしてファーストクラスに乗れる可能性も残してほしいという意見の方が滑稽に思えてしまいますが。
ライブのチケットも返金可能で良いんじゃないですか？
完全に転売や譲渡を禁止にすれば良いという意見もありますが、それは主催者も実は望んでいないんでは？と思います。
と言うのも譲渡を完全に禁止にするとキャンセル（返金）を認めないといけなくなる可能性が高くなるからです。
今のライブのチケットのシステムって一度購入すると絶対に返金してくれないんです。
これも常々おかしなシステムだなと思うんです。
航空券も新幹線もホテルだって全額でないにしても数日くらい前までならかなりの金額が払い戻しで戻ってきます。
ホテルや航空券は一部返金不可のものもありますが、それはその分安く売っているからで双方納得の上での取引成立です。
コンサートなんか半年先の分を売ったりしますが、半年先の予定なんて入院や冠婚葬祭なんかもあるかもだし、下手すりゃ死んでる可能性だってあるわけです。
それを「絶対に人に譲らず必ず本人が来なさい、でも返金は絶対にしない」というのも無茶な話なのかなーと感じます。
なので、主催者が本人確認なんかを厳格にして絶対に譲渡や転売は許さない！
と言うんであればチケットは返金可能にするのが、大切なファンに対する思いやりだと思いますね。
あなたたちの大切なファンが楽しみにしていたライブを入院や家族の葬式で欠席するんですよ？
チケット代金くらい返してやれませんか？それこそモラルだと思いますけどね。
結論
まあ私は部外者なので結論を出す必要もないんですが、個人的には転売されないようにしたいなら、航空会社やホテルのように需給関係を正確に把握して金額をコントロールして、主催者がきちんと利益を取れば済む話では？ということと、転売や譲渡を完全に禁止するなら当然キャンセルも認めるべきということです。
これについては色んな意見があると思いますが、なんの影響力もない部外者のブログですから、たわごと程度に思っておいてください。
では今日はこのあたりで。
