「チケットの高額転売に反対します」広告を見て感じた違和感その2・まずあなた達から変わりませんか?
先日ブログに書きました「チケットの高額転売に反対します」広告を見て違和感の記事ですが思いのほか反響がありましてアクセス数がググッと上がっていました。
特段このブログの趣旨とは関係なかったんですが、航空券と同じように「限りある座席である」「期限を過ぎれば紙くずになる」、という共通点もいくつかあるわけで、であれば価格も細分化・変動制にしてキャンセルも認めてあげればいいのでは?という事で取り上げてみました。
基本はマイルの事や航空の情報を書いているブログですが、ちょくちょく挟む時事ネタの方がぐっとアクセス数が上がるんですよね。
嬉しい反面普段のおれのブログって・・・。
これからは社会派として時事ネタをぶった切っていこうかなとも思いますが、それを期待している人もここには少ないと思いますので、そちらはほどほどにしていきたいと思います。
ただ前回アクセス数が上がって気をよくしたわけではありませんが、せっかくご意見もいくつかいただきましたし、個人的にも色々なサイトで現状を確認してみましたので、もう少し私見を書いてみたいと思います。
まだ前回のブログを見ていない人は下記を一読してみてください。
チケット転売対策の現状は?
チケットの転売対策の現状ですが、私がここ数日ネットで調べてみた限りでは、主催者が近年もっとも力を入れている対策が本人確認です。
要するにチケットに名前や住所、生年月日などを記載して写真付き身分証明書を提示し本人以外は入場させないという手段です。
最近では嵐の公演で顔認証のカメラで本人確認をするという事もあったようです。
この方法で良い点は1つです。本人しか入場できないので、転売屋にチケットがわたりにくく今まで行けなかったファンが定価で購入できる事です。
ただ、この方法にはいくつも不利益な点があります。
①本人、そして友人・家族など同行者までも限定しているので、急な体調不良や事故などで入院などあった場合にも他人に譲ることが出来ない。
さらに必ず同行者も同時入場なので、本人か同行者が電車事故や残業で遅くなった場合に入場せずに待たないといけない。
②本人確認のために必ず身分証明書を必ず持参しないといけない(忘れたり紛失があると入れない可能性大)・身分証明書がない人は困る
③入場時の本人確認に時間がかかり開演が遅れがち・見る方も会場へ早く行かないといけない
④主催者側が用意するスタッフを増員しないといけないので余分な費用がかかる→チケット代金が上がる
⑤これまで最前列など良席に数十万を出していたコアなファンが来なく(来られなく?)なる可能性が高い
⑥急に行けなくなったなどの理由で定価割れで売られるはずだったチケットすら市場に出なくなり、空席が出来る。
などが主に上げられるかなと思います。
要するに主催者も購入者もウィンウィンでないということです。
そもそもライブってそんなにハードル高いもんでしたっけ?
身分証明書がないと入れないところなんですか?
「来週のチケット余ってるから一緒に行かない?」
「誕生日のプレゼントに好きだった○○のチケットあげるね」
とかもっと気軽に楽しむもんじゃないんですかね?
こんな本人確認なんかされた日には、別れた恋人同士だと行けないし、半年も前から行く人が決まってない人は複数枚は買えないですよね。
しかもチケットの返金はなしですから、購入に慎重になってしまう人が多くなることは主催者にとってもマイナスになるはずです。
具体的な事例では2015年のB’zのコンサートでは本人確認をアトランダムに行い、各公演で数十人以上のファンの入場を拒否したようです。
これがわざわざライブ会場に足を運んだファンにする仕打ちですか?
百歩譲って転売屋に損害賠償など厳しい対応するならわかりますが、ファンである購入者に入場拒否なんてありえるんでしょうか?
中には家族から譲ってもらったチケットで入場できなかった人や、別の公演では在日の人で通称名と身分証明書の名前が違うということで入場を拒否される人までいたようです。
たぶん集団訴訟して裁判したら主催者が負けると思いますよ。
「今後はチケットサイトやオークションから購入するな」という見せしめ的な意味合いも大きいと思いますが、ファンを見せしめにしてどうするんですか??
堂々と転売屋やヤフオクやチケットキャンプを相手に裁判で訴えればいいじゃないですか。
それとも相手は巨大なソフトバンクグループとmixiグループなので分が悪いとでも思ってるんでしょうか。
転売屋にもヤフオクにも訴える法律がないのがわかっているので、身内内でしか通用しない手段をファンに押し付けてるんです。
こういう転売対策って果たして誰のためにしていることなんでしょう?その根本すらわからなくなっているようです。
あと私は経験ありませんが、事前には座席がわからずに、現地で座席がわかる仕組みのライブもあるみたいですね。
はっきり言うとメリットがまったくなくデメリットしかありません。
せめて会場を金額で細分化しているならわかりますが、全席指定でアリーナかスタンドかもわからない状態で現地で完全くじ引き状態です。
背が低くてアリーナの後ろは見えないとか、足が悪いから通路に近い方が良いとかそういう個別の事情は完全無視です。
逆にそういう需要にまったく対応できていないから、ヤフオクやチケットキャンプが大盛況になるわけで、ますます転売事情をアシストすらしている状態じゃないですか。
私は9月16日のボクシングを見に行きますが、約5000人の会場で3万円ー5000円の席まで7種類ありまして、アリーナの後ろは段差がなくリングが見えにくいことを過去の観戦でわかっているので、あえてスタンドの5000円の席で前の方を選んで買っています。
最低でもこれくらいの選択が普通なんではと思いますが。
業界でも座席細分化とキャンセル認可を検討中?
こういうことでファンを減らすのはアーティストにとっても今後のライブ活動全体にもマイナスだと思うんですよね。
今はCDが売れない反面ライブが盛況と言われていますが、若手のアーティストも代表するヒット曲も激減しており、さらに今後の人口減少を考えればライブ活動もごく一部のアーティストを除いてそう遠くないうちに苦境に立たされるはずです。
そのためにはファンサービスを充実させないといけないのに、ガラパゴスの音楽業界は定価だけ値上げしてまったく進歩していないどころかファンサービスは退化していく一方です。
そういう意味で私が前回のブログでせめて座席を細分化して、キャンセルを認めるように変更すれば転売する人も減るしファンのニーズにも対応できるんじゃないかと書いたんですが、音楽業界にも同じように考えている人もいるんですね。
下記の記事を読むとこの人たちは現状を良く理解できているし、座席を細分化しないといけない、キャンセルも認めないといけない事もわかっている人が少なからずいるようです。
上の対談にも書かれていますが、日本の音楽文化を今後も維持させたいと思うなら、新聞広告を出すとか本人確認するとかそういう小手先のことは早くやめて、先に音楽業界が変わるべきですね。
「座席位置によって金額を変える」・「第3者の利益が出ないように適正価格で販売する」「キャンセルを認めて主催者が再販売する」
それだけで転売する人はかなり減るはずですし、あとは市場のニーズに任せれば良いんです。
チケット転売の是非はここでは議論しませんが、チケットの転売はここ数年始まったことでなくヤフオクが出来てから15年近く経過してすでに市場も成熟しています。
需要があるから供給があるわけであって、ダメだダメだと周りがどれだけモラルに訴えてもなくなりません。
好きなアーティストのyoutubeを見たことくらい誰でもありますよね?
それも立派に権利や財産を侵害していますが、それをやめてくれとアーティストがどれだけ言ってもなくならないんです。
それなら一層手をつないで一緒に盛り上げていこうというのが、今の欧米のスタンダードです。
アメリカのアーティストはyoutubeにガンガン新曲のPVを流しています。けど音楽業界は活況なんです。
日本は規制規制でがんじがらめにしておいて挙句に没落・ガラパゴスへ一直線です。
上の音楽プロモーターの対談にも書かれていますが、業界がやることをやって、そのあとはうまく2次流通と付き合っていけば、主催者も購入者もウィンウィンになれるんじゃないかと思います。今のやり方だと誰も得をしません。
偽チケット対策は?
これも合わせて問題になっている偽チケット対策についてはヤフオクやチケットキャンプなどがすぐに対応しないといけないと思いますが、私が海外のチケットサイトで購入してサッカーを観戦に行った例をあげると、チケットは受け取った段階でなく公演(試合)終了後約1週間後を目途に出品者に代金が振り込まれるようになっています。
チケットサイトにプールした代金は落札者がトラブルなく入場したのを確認した上で出品者に代金が入りますので、それだけで偽チケットの問題は完全に解決されるはずです。非常に良く出来たシステムだと思いますので、すぐにでも導入できるのかなと思いますが、なぜかそちらも動きが鈍いですね。
チケットを受け取った段階では偽チケットかどうかは素人では判断できませんので、チケットを受け取った段階で代金の支払いが完了するのは危険です。
ちょっと長くなりましたが、今回は具体的な事例も合わせて書いてみました。
また頃合いを見ていただいた意見についてもブログで書いていきたいと思います。
今日はこのあたりで。
takeka.hatenablog.com