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カタール航空、3月31日から関空線運休・就航から11年

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今日3月31日をもってカタール航空の関西〜ドーハ線が運休となりました。

2005年3月に就航したとのことですので11年での運休となります。

理由としては色々あると思いますが大きく分けて以下のようなものが考えられます。

  1. エコノミー客の客単価の低さ
  2. ビジネスクラスの利益率の低さ
  3. カタールという国そのものの魅力不足
  4. 中東の不安定な情勢
  5. 成田・羽田就航のための関空就航だったため役割を終えた

このあたりについて個人的に検証したいと思います。

 

まず1,2はほぼ同じですが、エコノミークラスについてはヨーロッパ方面行きなどで格安での航空券を数多く出していましたが、カタール経由が近年では一番安いということが多かったようです。

またビジネスクラスもヨーロッパへの格安航空券を数多く出していましたのでヨーロッパへの乗継客の獲得にも苦戦したものと思われます。

せめてビジネスクラスだけでも埋まれば運休はなかったんでしょうが、メインの石油産業のビジネスマンも東京が多いでしょうから、関西からは思ったほどビジネス客も集まらなかったんだと思います。

ビジネス客の少なさについてはカタール航空だけでなく関空のそして関西全体の課題でもありますよね。シャープも事実上なくなりなおさらです・・・。

ビジネス路線拡充の課題克服なくして関空の欧米路線の復活もありません。

観光客の航空単価は安いので、どうしてもビジネス客をターゲットにしないとレガシーキャリアには厳しいものがあります。

 

なぜ、カタール航空が撤退まで苦戦したのかということになれば3,4も大きな理由になると思いますが、まずカタールという国に魅力がありません。

カタールの首都はドーハですが、私の周りでドーハへ観光に行った事がある人を見たことがありませんし、私自身も行こうと思ったことすらありません。

カタールに何があるのかと問われても何も出てきませんし、あるとすればサッカーファンおなじみのドーハの悲劇くらいです。それすら若い人やサッカーに興味のない人にはなんのこと?でしょう。

またイスラムに厳格なお国柄ですから女性が気軽に観光に行ける国でもありませんし

色々面倒で楽しいイメージが出来ない国に行こうとは思いませんよね。

ちなみにドーハは世界で最も退屈な街で世界一位に選ばれています。

4についはカタールに落ち度はないと思いますが観光に行くにしては中東はイメージが悪すぎですね。

ISにしてもイラクやシリアの問題にしても、直接カタールで危険が及ぶとは思えませんが、あえてこの時期に中東行こうとは思いませんよね。

観光は平和産業ですから、少しでも不安があれば観光客はすぐに他の観光地へ行ってしまいます。ましてや観光に魅力のないカタールだとなおさらですね。

無理してカタールに行く理由は何一つないですから。

 

5については成田・羽田の発着枠は常にオーバー状態ですので、新規就航を希望しても新参者になかなか回ってくることはありません。

そこで国土交通省から当時閑古鳥状態だった、関空に路線を持っていると優先的に成田・羽田の発着枠を得られるという方針があったようです。

その方針からエミレーツやカタール航空がまず関空から新規就航をしたという話です。

カタール航空は念願かなって、成田・羽田の枠を手に入れましたので、不採算の関空路線を維持する必要がなくなったものと思われます。

 

以上色々と撤退の推測をしましたが、関空から撤退する航空会社が出るのはさみしいですね。

今でこそにぎわっている関空ですが、どうしてもアジア専用、LCC専用のイメージがついていますから長距離路線は維持していただきたいものです(カタールもアジアではあるんですが)

関空も客が多くなればなったで、最近は手荷物検査・出入国審査(特に外国人)の混雑もありますし、ビジネス・ファーストクラスラウンジの貧弱さ、深夜便の交通インフラの問題など課題はまだまだ山積しています。

 観光客が大挙押し寄せている今こそ、民営化の知恵と力を使って関空と関西を活性化させてほしいと願っています。

観光客目線から考えるとその都市の空港って結構旅行の印象に重要だと思うんですよね。ぜひラウンジからでもお願いします。